時間給の計算方法を賃金形態別に解説|分単位・残業代・最低賃金の確認方法

時間給の計算方法は、時給・日給・月給のどれで給与が決まっているかによって異なります。
さらに、残業や深夜勤務、休日勤務、休憩時間、各種手当まで含めると、計算は複雑になりやすいものです。
本記事では、時間給の基本的な求め方から、1分単位の勤務時間の扱い、残業代や最低賃金を確認する際の注意点まで、給与計算に詳しくない方にも分かるように解説します。社内での確認方法や、作業負担が大きい場合の見直し方もあわせて紹介します。

時間給の計算方法は時給・日給・月給で異なる

時間給の計算方法は、給料が時給・日給・月給のどれで決められているかによって異なります。
時給制では支給する給料を計算し、日給制と月給制では残業代などに使う1時間あたりの金額を求めます。

時給制は「時給×実際に働いた時間」で給料を計算する

時給制の給料は、「時給×実際に働いた時間」で計算します。
例えば、時給1,200円の従業員が、休憩を除いて1日7時間働いた場合は、次の計算になります。

1,200円×7時間=8,400円

勤務開始から終了までが8時間でも、途中に自由に使える休憩が1時間あれば、給料の対象となるのは7時間です。

30分働いた場合は、30分を0.5時間に直して計算します。
時給1,200円で30分働いた場合の給料は、「1,200円×0.5時間=600円」です。
厚生労働省も、時給制では設定された時間給を最低賃金の時間額と比較する方法を示しています。

日給制は「1日分の給料÷1日の決められた勤務時間」で1時間あたりの金額を求める

日給制では、「1日分の給料÷1日の決められた勤務時間」で、1時間あたりの金額を求めます。
日給12,000円で、1日の勤務時間が8時間の場合は、次のとおりです。

12,000円÷8時間=1,500円

この場合、1時間あたりの金額は1,500円です。
この金額は、残業代や会社のルールに基づいて遅刻・早退分を差し引く場合などの計算に使います。

計算に使うのは、その日に実際に働いた時間ではなく、雇用契約書や就業規則で決められた1日の勤務時間です。
厚生労働省も、日給制の時間換算額を「日給÷1日の所定労働時間」で求める方法を示しています。

月給制は「計算に含める月給÷1か月の平均勤務時間」で1時間あたりの金額を求める

月給制では、「計算に含める月給÷1か月の平均勤務時間」で1時間あたりの金額を求めます。
計算対象となる月給が240,000円、1か月の平均勤務時間が160時間の場合は、次の計算になります。

240,000円÷160時間=1,500円

1か月の平均勤務時間は、年間の勤務日数と1日の勤務時間を使って計算します。
年間休日が125日、1日の勤務時間が8時間の場合は、「(365日-125日)×8時間÷12か月=160時間」です。和歌山労働局の資料でも同じ計算例が示されています。

月によって勤務日数が違っても、その月に実際に働いた時間で割るわけではありません。
また、月給に含まれるすべての手当が計算対象になるとは限らないため、基本給や手当の内容を確認してから計算する必要があります。

時間給を正しく計算するには働いた時間を種類ごとに分ける

時間給の計算方法では、勤務時間を一つにまとめず、通常の勤務、残業、深夜、休日に分けることが大切です。
ここでは、時間の数え方と、休憩や着替えを勤務時間に含める基準を説明します。

実際に働いた時間は原則1分単位で数える

勤務時間は、タイムカードや勤怠システムに記録された始業・終業時刻をもとに集計します。
例えば8分間残業したときに、「15分未満だから0分」として賃金を支払わない処理はできません。

厚生労働省も、1日ごとに一定時間未満の労働を一律に切り捨てることは、労働基準法違反になると案内しています。

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001310369.pdf?utm_source=chatgpt.com

ただし、1か月分の時間外・休日・深夜労働を合計した後の端数は、30分未満を切り捨て、30分以上を1時間へ切り上げられる場合があります。
毎日の勤務時間を切り捨てる処理とは区別が必要です。

残業・深夜・休日に働いた時間は通常の勤務と分けて計算する

通常の勤務と割増の対象となる勤務では、1時間あたりの金額が異なります。
原則として、1日8時間・週40時間を超える残業は25%以上、午後10時から午前5時までの深夜勤務は25%以上、法律上の休日に働いた場合は35%以上の割増が必要です。

例えば時間給が1,200円なら、残業1時間分は「1,200円×1.25=1,500円」です。
残業が深夜に及ぶ場合は割増が重なるため、通常、残業、深夜、休日に分けて集計します。
また、1か月の残業が60時間を超えた部分には、50%以上の割増率が適用されます。

休憩・着替え・待機の時間は仕事から離れられたかで判断する

休憩時間は、従業員が仕事から離れて自由に使える時間です。
労働時間が6時間を超えて8時間以下なら45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与える必要があります。

昼休みに電話や来客への対応を求めている場合、その時間は勤務時間に含まれます。
また、会社が制服への着替え、始業前の清掃、朝礼を義務付けている時間や、指示があればすぐ働く必要がある待機時間も勤務時間です。
会社の指示があったか、自由に過ごせたかを確認することが、正しい時間給の計算方法につながります。

残業代や最低賃金を確認するときは月給に含める金額が異なる

時間給の計算方法は、何を確認するために計算するかによって、月給に含める金額が変わります。
ここでは、毎月の給料、残業代、最低賃金の3つを分け、手当の扱いを説明します。

実際の給料・残業代・最低賃金では時間給を計算する目的が異なる

時給制の従業員へ支払う給料は、時給に実際に働いた時間を掛けて求めます。
一方、月給制の残業代は、通常の勤務に対して支払う月給を1か月の平均勤務時間で割り、1時間あたりの金額を出します。

最低賃金を確認するときも月給を時間額へ直しますが、給与明細の総支給額をそのまま使うわけではありません。
厚生労働省は、賞与、残業代、休日手当、深夜の割増分、精皆勤手当、通勤手当、家族手当などを最低賃金の計算から外すと示しています。

例えば、計算対象額が240,000円、1か月の平均勤務時間が160時間なら、「240,000円÷160時間=1,500円」です。
この金額と勤務先に適用される最低賃金を比較します。

基本給以外の手当は支給内容を確認して計算に含めるか判断する

残業代の基礎には、基本給だけでなく、通常の勤務に対して毎月支給する手当も原則として含めます。
ただし、家族手当、通勤手当、別居手当、子どもの教育に関する手当、住宅手当、臨時の賃金、1か月を超える期間ごとに支払う賃金は除外できる場合があります。

手当の名前だけでは判断できません。例えば、通勤距離に関係なく全員へ一律10,000円を支給する通勤手当は、残業代の計算に含めます。
住宅手当も、家賃などに応じず全員へ一律20,000円を支給している場合は計算対象です。

時間給の計算方法を統一するには、手当の名称、支給条件、計算目的を一覧にし、残業代と最低賃金で含める項目を分けて確認します。

計算手順と確認する人を決めると給与計算の間違いを減らせる

時間給の計算方法が正しくても、勤怠の入力ミスやExcelの数式のずれ、確認漏れがあると支給額を誤ります。
ここでは、毎月の確認手順と、数百名規模で社内対応が難しい場合の進め方を説明します。

Excelは勤怠の入力・計算式・計算結果の順番で確認する

Excelで給与を計算するときは、

①勤怠の入力、
②計算式、
③計算結果の3段階で確認します。

最初に、始業・終業時刻、休憩、残業、深夜、休日の時間が勤怠記録と一致しているかを見ます。

厚生労働省は、会社が従業員ごとの始業・終業時刻を確認・記録し、原則としてタイムカードやICカードなどの客観的な記録を基に労働時間を把握するよう示しています。
賃金台帳にも労働日数や残業時間などの記載が必要です。

次に、時給1,200円、残業2時間などのテストデータを入れ、通常勤務と割増分が正しく計算されるか確認します。
最後に、前月との差額が大きい人を抽出し、別の担当者が確認すると、時間給の計算方法の誤りを見つけやすくなります。

数百名規模で確認作業が増えた場合は給与計算の外部委託も検討する

従業員が数百名規模になると、時給・日給・月給の違いに加え、勤務形態や手当の条件も増えます。
1~2名で勤怠修正、時間給の計算、控除、明細作成まで確認すると、締め日前後に作業が集中します。

毎月の確認に時間がかかる、担当者が休むと作業が止まる、計算方法を説明できる人が1人しかいない場合は、外部委託を検討します。
勤怠確認、給与計算、明細作成など、負担が大きい工程から任せられます。

外部へ任せる場合も、社内では変更情報の連絡、計算結果の承認、振込前の最終確認を行います。
任せる範囲を決めることで、時間給の計算方法を統一し、確認漏れと担当者の負担を減らせます。

時間給の計算方法を整理し正確な給与計算につなげる

時間給の計算方法は、時給制・日給制・月給制によって異なります。
時給制は「時給×実際に働いた時間」、日給制は「1日分の給料÷1日の決められた勤務時間」、月給制は「計算に含める月給÷1か月の平均勤務時間」が基本です。

また、働いた時間は原則として1分単位で数え、残業・深夜・休日の勤務は通常の時間と分けて計算します。
残業代や最低賃金を確認するときは、基本給以外の手当を含めるかどうかも確認が必要です。

従業員数が増えるほど、勤怠の確認や手当の判断、Excelの計算式の管理は複雑になります。
まずは社内の計算手順と確認体制を見直し、負担やミスが減らない場合は、給与計算の一部または全部を外部へ任せることも検討しましょう。

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時間給の計算方法に関するよくある質問

時間給の計算や給与計算代行について、担当者から寄せられやすい疑問をまとめました。
計算ミスが見つかった場合の対応や、外部委託を始める際の準備、委託先を選ぶポイントを確認できます。

Q1. 時間給の計算ミスが支給後に見つかった場合は、どのような順番で修正すればよいですか?

まず対象者、対象月、誤っていた勤務時間や単価を確認し、正しい差額を計算します。
そのうえで本人へ計算内容と修正方法を説明し、不足分の追加支給などを行います。
原因と対応履歴を残し、同じ数式や設定を使っている従業員についても確認してください。

Q2. 給与計算代行を依頼する前に、会社側ではどのような資料を準備しておく必要がありますか?

従業員一覧、雇用形態、給与規程、就業規則、勤怠データ、手当・控除の条件、過去の給与明細などを整理します。
例外的な計算ルールも一覧にすると、引き継ぎが進みやすくなります。
最初に資料の不足状況を確認できる会社へ相談すると、準備範囲が明確になります。

Q3. 給与計算の一部だけを外部へ任せ、最終確認と承認を社内に残すことはできますか?

可能です。勤怠データの確認、時間給や残業代の計算、給与明細の作成など、負担が大きい工程だけを任せられます。変更情報の連絡、計算結果の承認、振込前の最終確認を社内に残せば、役割を明確にしながら担当者の作業負担を減らせます。

Q4. 給与計算代行へ切り替える場合、現在の運用から開始までどのくらいの期間が必要ですか?

現状確認、計算ルールの整理、データ移行、テスト計算などを経て運用を開始します。
必要な期間は資料の準備状況や給与体系によって異なりますが、みらいパートナーズでは最短1ヶ月での導入に対応しています。
希望する開始月から逆算して相談することが大切です。

Q5. 給与計算代行会社を選ぶときは、料金以外にどの項目を確認すればよいですか?

対応できる給与体系、質問への回答速度、法改正への対応、情報管理体制、担当者が不在の場合の引き継ぎ方法を確認します。
委託できる業務範囲と追加料金の条件も、書面でそろえることが重要です。
自社独自の手当や計算ルールを伝え、事前に対応可否を確認してください。

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