
給与計算を外部の会社に任せたいと考えても、「従業員が何人になったら利用すべきなのか」と迷う方は多いでしょう。
給与計算は従業員1人から依頼できますが、人数が少ない会社では、社内で計算したほうが費用を抑えられる場合もあります。
本記事では、給与計算を外部へ任せる人数の目安や、人数以外に確認したいポイント、費用の比べ方、依頼先を選ぶときの注意点を、初めて検討する方にも分かりやすく解説します。
給与計算を外部へ任せるかは人数と作業内容を見て判断する
「給与計算の外注(アウトソーシング)は何人から利用すべきか」に、すべての会社へ共通する答えはありません。
従業員数だけでなく、毎月の作業時間や計算の複雑さ、担当者の人数も確認する必要があります。
ここでは、外部へ依頼できる人数、減らせる作業、社内に残る確認作業を説明します。
給与計算は従業員が少ない会社でも外部へ依頼できる
給与計算は、従業員が1人や10人の会社でも外部へ依頼できます。
給与額の計算や給与明細の作成を任せられるため、経営者や総務担当者がほかの仕事を兼任し、給与計算に十分な時間を取れない会社にも適しています。
ただし、外部へ依頼すると毎月の基本料金がかかる場合があります。
人数が少なく、勤務時間や手当の種類も少ない会社では、給与計算ソフトを使って社内で行うほうが費用を抑えやすくなります。
一方、入退社が多い、複数の働き方がある、担当者が1人しかいない会社では、少人数でも外部へ任せる効果があります。
給与計算の外注は何人からと人数だけで決めず、現在の作業量や担当者の負担も確認することが大切です。
外部へ任せると計算や確認にかかる作業を減らせる
給与計算では、勤怠データを集め、残業時間や欠勤日数、手当、社会保険料、税金などを確認して支給額を決めます。
従業員が100人いれば、100人分の入力漏れや変更内容を毎月確認しなければなりません。
外部へ任せると、給与額の計算、給与明細の作成、銀行へ提出する振込データの作成などを減らせます。
特に、Excelへの転記や電卓での計算、複数人による見直しが多い会社では、作業を減らす効果が分かりやすくなります。
例えば、毎月20時間かかる作業を半分にできれば、年間では120時間をほかの仕事に使えます。
ただし、勤怠の締切管理や従業員情報の変更連絡まで任せられるとは限りません。
見積もりを依頼する前に毎月の作業を書き出し、どこまで任せられるか確認しましょう。
給与計算ソフトだけでは手入力や間違いの確認が社内に残る
給与計算ソフトは、登録された情報をもとに社会保険料や税金などを自動で計算します。
しかし、打刻漏れ、手当の変更、入退社の情報を正しく入力する作業は社内に残ります。
入力した内容が間違っていれば、ソフトを使っても正しい給与額にはなりません。
また、厚生労働省は、会社に対して事業場ごとに必要事項を記載した賃金台帳を作成し、備え付けることを求めています。
給与計算をソフトや外部の会社に任せても、会社側で計算結果や記録内容を確認できる状態にしておく必要があります。
給与計算の外注は何人から始めるかだけでなく、誰が勤怠や変更情報を伝え、計算結果を最終確認するかも決めておきましょう。
外部へ任せる作業と社内に残す作業を整理することで、自社に合った方法を判断しやすくなります。
給与計算を外部へ任せるメリット3選
給与計算を外部へ任せると、毎月の入力作業だけでなく、担当者の不在や繁忙期への不安も減らせます。
「給与計算の外注は何人から」と迷う場合は、人数とあわせて作業時間や社内体制を確認しましょう。
ここでは、3つのメリットを紹介します。
メリット①:手入力やExcelへの転記が減り、毎月の作業時間を短くできる
社内で給与計算を行う場合は、勤怠データの回収、残業時間の確認、手当の入力、計算結果の見直しなどが毎月発生します。
従業員が100名いれば、100名分の打刻漏れや変更情報を確認しなければなりません。
外部へ任せることで、給与額の計算や給与明細、振込用データの作成などを減らせます。
毎月20時間の作業を10時間に短縮できれば、年間120時間を採用や人事制度の整備に使えます。
ただし、勤怠の締めや変更情報の連絡は社内に残る場合があるため、依頼範囲を確認してください。
メリット②:担当者しか分からない状態を防ぎ、休職や退職があっても給与計算を続けやすくなる
欠勤控除や途中入社の日割り計算、会社独自の手当は、担当者の経験に頼りやすい作業です。
1人だけが処理方法を知っていると、急な休職や退職によって給与計算が止まるおそれがあります。
外部へ任せる準備では、計算ルールや毎月の手順を文書にまとめます。
担当者が2名以下でも、外部の担当者と情報を共有すれば、支払日まで作業を続けやすくなります。
厚生労働省も、労働日数、労働時間、基本給、手当、控除額などを記載した賃金台帳の作成を会社に求めています。
メリット③:賞与計算や年末調整など忙しい時期の負担を減らせる
賞与計算や年末調整では、通常の給与計算に加えて申告書の回収、不備確認、税額計算が発生します。
従業員200名なら200名分の提出状況を管理するため、1~2名の担当者に作業が集中します。
国税庁は、年末調整の手順や申告書、記載例を毎年公開しています。
令和8年分の源泉徴収税額表でも、税制改正に伴う変更が案内されており、担当者は最新情報の確認が必要です。
年末調整や賞与計算だけを外部へ任せる方法もあるため、「給与計算の外注は何人から」と迷う会社でも、忙しい時期から始められます。
外部へ任せるかは料金と社内の人件費を比べて決める
給与計算を外部へ任せる際は、見積書の月額だけでなく、社内で使っている時間や残業代も比べる必要があります。
「給与計算の外注は何人から」と迷う会社に向けて、料金と社内コストの見方を説明します。
外部へ頼む料金は従業員数と任せる作業によって変わる
給与計算代行の料金には、基本料金に従業員1人ごとの料金を加える形や、人数に応じた定額料金があります。
勤怠データの入力、賞与計算、年末調整、住民税の変更などを頼むと、追加費用が発生する場合があります。
同じ100名でも、任せる作業が増えれば料金は変わります。
「給与計算の外注は何人から」と人数だけで決めず、1年間に発生する作業を一覧にしてください。
同じ人数と作業内容を複数社へ伝え、初期費用を含む年間総額で比べます。
担当者の作業時間や残業代まで含めると正しく比較できる
社内で続ける費用には、勤怠確認、Excel入力、計算結果の見直し、問い合わせ対応に使う時間も含まれます。
例えば、担当者2名が毎月合計40時間を使い、1時間当たりの人件費を2,500円とすると、月10万円、年間120万円です。
繁忙期に残業が発生する場合は、残業代も加えます。厚生労働省によると、法定時間外労働には通常の賃金の25%以上の割増賃金が必要です。
また、会社には労働時間を適正に把握し、それに基づいて賃金を支払うことが求められています。
外部へ任せても、勤怠の締めや最終確認は社内に残る場合があります。
外注料金と現在の人件費を単純に比べず、外注後に何時間減らせるかまで確認してください。年間費用と作業時間の両方で判断します。
担当者が退職しても、採用コストがかからない
給与計算を社内で行っている場合、担当者が退職すると、新たな人材を採用しなければなりません。
一般的に、人材を1名採用するためには、求人広告費や人材紹介手数料などを含め、最低でも50万~100万円程度の採用コストがかかるといわれています。
さらに、採用活動にかかる時間や面接対応、入社後の教育・引き継ぎなどを考えると、会社側の負担は決して小さくありません。
一方、給与計算を外部に委託していれば、担当者の退職による影響を受けにくく、新たな人員を採用する必要もありません。
担当者が辞めるたびに発生する50万~100万円以上の採用コストを抑えながら、安定して給与計算業務を継続できることは、外注の大きなメリットです。
人材不足が続く今、「退職したらまた採用する」という体制から脱却できることは、企業にとってコスト面・業務継続面の双方で大きな安心につながります。
給与計算の外注は100名を超えた頃から検討するのがおすすめ
「給与計算の外注は何人から始めるべきか」に、法律上の基準はありません。
ただし、従業員が100名を超え、1~2名で担当している会社では、確認や引き継ぎの負担が増えやすくなります。
ここでは、100~300名を目安とする理由を説明します。
100~300名の会社は確認作業が増えて担当者の負担が大きくなりやすい
従業員数が増えると、毎月確認する勤怠、残業、欠勤、手当、入退社の情報も増えます。
100名なら100名分、300名なら300名分について、変更や入力漏れを確認しなければなりません。
厚生労働省は、賃金台帳に氏名、賃金計算期間、労働日数、労働時間、時間外労働、基本給、手当、控除額などを記載するよう定めています。
記録は労働者ごとに必要なため、人数が増えるほど確認対象も増えます。
100~300名規模では、途中入社の日割り計算や休職、複数の雇用形態など、通常と異なる処理も増えます。
担当者が1~2名の場合は、賞与や年末調整の時期に作業が集中しやすいため、100名を超えた頃から外注費と減らせる作業を比べるのがおすすめです。
人数・作業時間・担当者数の3つを確認して外注する時期を決める
外注を検討するときは、「従業員100名以上」「給与計算に月15時間以上」「担当者が1~2名」の3項目を確認します。
2つ以上に当てはまる場合は、見積もりを取り、社内で続ける費用と比べてください。
例えば80名でも月30時間かかり、担当者が1名なら、100名未満でも検討の対象です。
反対に150名でも勤怠情報が整い、複数人で処理できていれば、急いで切り替える必要はありません。
「給与計算の外注は何人から」と迷ったときは、100名を目安にしつつ、月15時間以上の作業や1~2名への集中があるかで判断します。
人数、時間、体制を数字で整理すれば、社内への説明や見積もり比較も進めやすくなります。
100名を超えたら人数と作業時間を確認して外部への依頼を比べる
給与計算は従業員1人から外部へ頼めますが、何人以上なら必ず頼むべきという決まりはありません。
ただし、従業員が100名を超え、担当者が1~2名しかいない場合や、毎月15~20時間以上かかっている場合は、外部へ任せることを考え始める時期です。
まずは給与計算にかかっている時間と、担当者しか知らない作業を整理しましょう。
そのうえで、社内で続けた場合の費用と、外部へ頼んだ場合の料金や減らせる作業を比べることが大切です。
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給与計算の外注に関するよくある質問
給与計算を外部へ任せる際の準備や、会社に残る作業、従業員からの問い合わせ対応、導入時期について、よくある質問に回答します。
Q1. 給与計算代行を依頼する前に、社内ではどのような資料やデータを準備すればよいですか?
給与規程、賃金台帳、従業員情報、勤怠データ、手当・控除の計算ルール、過去3〜12ヶ月分の給与結果などを準備します。
資料がそろっているほど見積もりや移行が進めやすいため、まず不足している情報を一覧にしてください。
Q2. 給与計算を外注した後も、会社側で続けなければならない確認や対応には何がありますか?
外注後も、勤怠の締め、入退社や手当変更の連絡、計算結果の最終確認、振込承認などは会社側に残るのが一般的です。
契約前に役割分担表を作り、誰がいつまでに何を確認するか決めておくと運用の行き違いを減らせます。
Q3. 従業員から給与額や給与明細について質問があった場合、社内と代行会社のどちらが対応しますか?
対応範囲は契約によって異なります。代行会社が問い合わせ窓口を担当する場合もあれば、社内担当者が質問を集めて確認する場合もあります。
対象となる質問、回答期限、個人情報の受け渡し方法を見積もり時に確認してください。
Q4. 給与計算代行へ切り替える場合、1年のうちどの時期から準備を始めると進めやすいですか?
賞与や年末調整の直前は作業が増えるため、通常月から準備を始めると進めやすくなります。
給与規程の整理、過去データの確認、試算を行う期間も必要です。希望する開始月から逆算し、少なくとも1〜3ヶ月前に相談を始めてください。
Q5. 給与計算代行は最短1ヶ月で始められますか?短期間で導入するための条件も教えてください。
必要な資料がそろい、社内ルールと役割分担が明確であれば、短期間で切り替えられる場合があります。
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開始希望日、従業員数、利用中の勤怠方法を整理して相談すると確認が進みやすくなります。
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